Pythonで開発を続けていると、ある日ふと、こんな状況に出会います。
- 「昨日の夜に動かしたバッチ処理が、まだ終わっていない」
- 「データ量が少し増えただけで急に処理時間が伸びた」
- 「やっぱりPythonは遅いから、別の言語に変えるしかないのだろうか」
最初のうちは、「自分の書き方が悪いのかな」と思いながら少しコードを修正してみる。
それでも改善しないと、「もうPythonでは限界なのでは」と感じてしまう。
実際、多くのエンジニアがこの段階で、
「言語を変える」
「システムを作り直す」
といった大きな判断を検討し始めます。
しかし、現場でパフォーマンス改善を何度も経験していくと、ほとんどの場合、問題はそこにはありません。
「Pythonだから遅い」と思ってしまう理由
Pythonが遅く感じる最大の理由は、処理全体が遅く見えるからです。
例えば、30分かかる処理があったとします。
このとき私たちは、「このプログラムは全部遅い」と考えがちです。
しかし実際には、
- 29分は「特定の数行の処理」に使われていて
- 残りの大部分のコードはほとんど時間を使っていない
ということが非常によくあります。
つまり、「プログラム全体が遅い」のではなく、ほんの一部が極端に遅いだけなのです。
この状態で、なんとなくコード全体を最適化しようとしても、効果が出ないのは当然です。
時間を使っている場所を触っていないからです。
多くの人が最初にやってしまう遠回り
処理速度の問題に直面したとき、最も多い行動は次の3つです。
- for文を減らしてみる
- 並列処理にしてみる
- 別言語に書き直すことを検討する
もちろん、これらが必要な場合もあります。
しかし、どこが遅いかを確認しないまま行う最適化は、ほとんどの場合うまくいきません。
特に、並列処理は注意が必要です。
処理内容によっては、並列化したことで逆に遅くなることもあります。
「速くするために手を入れたのに、なぜか前より遅い」という経験をした人も多いはずです。
まずやるべきことは、とてもシンプル
パフォーマンス改善で最初に行うべきことは、実はとてもシンプルです。
どこに時間が使われているかを確認すること。
これだけです。
「体感」で遅そうな場所を探すのではなく、ツールを使って、実際にどの関数や処理に時間がかかっているかを数値で確認する。
それを見てから手を入れるだけで、改善の効率は大きく変わります。
多くのケースでは、「ここだけ直せばよかったのか」というレベルの修正で、処理時間が大きく短縮されます。
学び直して気づいたこと
ここ最近、処理速度の課題が続いたこともあり、Pythonのパフォーマンス改善について一度体系的に学び直しました。
これまで、経験的に
- ここは遅くなりやすい
- こう書くと速くなる
という断片的な知識は持っていたのですが、それらが「なぜそうなるのか」という形でつながったことで、改善の判断がかなりしやすくなったと感じています。
特に印象に残ったのは、「全部を高速言語に書き換える必要はない」という考え方でした。
プログラム全体を作り直すのではなく、時間を使っている部分だけを改善すればよい。
この発想を持てるようになるだけでも、開発の心理的な負担はかなり軽くなります。
もし今、処理速度で悩んでいるなら
Pythonを日常的に使っていると、遅さの問題は避けて通れません。
しかし、その多くは「Pythonの限界」ではなく、どこを見直せばいいのかが分かっていない状態から生まれています。
最近、Python高速化の考え方を体系的にまとめた書籍を読み、プロファイリングの視点や最適化の進め方を一度整理してみたところ、これまで時間をかけて悩んでいた問題のいくつかが、意外なほどシンプルに解決しました。
もし今、
- 処理時間が伸びてきて不安を感じている
- 言語を変えるべきか迷っている
- 最適化をどこから始めればいいか分からない
そんな状況にあるなら、一度「パフォーマンス改善の考え方」を体系的に整理してみるだけでも、次に取るべき選択がかなり見えやすくなると思います。
下記はbiliotechメンバーの「はやと」が執筆した書籍ですが、Pythonの高速化について体系的に学べる書籍になっています。
Pythonの高速化で悩んでいる方は、読んでみると頭の中がスッキリと整理されると思います。