Obsidianで集めた引用をCursorで文章に織り込む:読書ノート連携術

本を読んで「これは大事だ」と思った言葉を、Obsidianにメモする習慣がある人は多いと思います。

でもその後、それらの引用をどう活かすかとなると、意外と悩むものです。

  • 引用ばかりで、文章がバラバラになってしまう
  • 自分の考えとどうつなげればいいかわからない
  • 説得力のある文章にまとまらない

そこで今回は、Obsidianに集めた読書メモや引用を、CursorでAIと一緒に自然に文章へと育てていく方法を紹介します。

引用を“素材”として文章に“織り込む”という感覚を大切にした、初心者向けのやさしい執筆術です。


結論:引用は「核」ではなく「布に織り込む糸」だと考える

文章を書き始めたばかりのころは、

「いい引用があるから、それをもとに書こう」と思いがちです。

でも、引用そのものはあくまで補強材料や話題の“起点”であって、

あなた自身の視点や体験と結びついてこそ、生きた文章になります。

だからこそ、引用のあとに“自分の声”を加えるという意識が大切です。

そのために使えるのが、CursorのAIによる文章整形・補助機能です。

Obsidianで引用を集め、Cursorで文章化する。

この流れを丁寧に追っていきましょう。


ステップ① Obsidianで「引用+自分のひとこと」を蓄積する

まずはいつもどおり、読書中に気になった一節をObsidianにメモしていきましょう。

このとき、一緒に“自分の感想や考え”も1行だけでも書いておくと、あとがぐっと楽になります。

例:Obsidianの読書メモ
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## 『習慣の力』メモ(2025/09/27> 「習慣は、繰り返しによって脳に自動化される行動である。」

→ 無意識に行動が始まるようになるまでの“準備”が必要。意志だけでは難しい。

#読書メモ #習慣 #引用

このように、「引用」→「自分のひとことコメント」という形で積み重ねていくと、

後からの再利用がとてもスムーズになります。


ステップ② 複数の引用を1つの下書きノートにまとめる

1つのテーマに沿った引用がたまってきたら、

それらを1つのMarkdownファイルにまとめましょう。

例:テーマ「習慣と意志力」
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## 習慣と意志力に関する引用メモまとめ

> 「習慣は、繰り返しによって脳に自動化される行動である。」
→ 無意識に動けるようにするには、意志力だけでは足りない。

> 「人は環境によって動かされている。自分の意志ではない。」

→ 続けるには“仕組み”と“環境設計”が重要。意思に頼るのは消耗戦。

> 「やる気があるときに決めたことより、仕組みの方が確実に働く。」

→ モチベーション任せでは、継続性に欠ける。

このように、テーマを軸に複数の引用と自分の考えを整理することで、

「AIに頼るための素材」がそろってきます。


ステップ③ Cursorで開いてAIに「文章化」してもらう

まとめたファイルを.md形式で保存し、Cursorで開きましょう。

そのまま全体を選択して、次のようにAIに指示します。

プロンプト例①:読み物として自然な文章に整えてもらう
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この引用メモをもとに、読者にとって読みやすいコラム風の文章にしてください。
引用を自然に組み込みながら、自分の考えも展開する構成にしてください。

AIの出力例:

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私たちは何かを習慣にしたいと考えたとき、つい「意志の力」で乗り切ろうとしてしまいます。
しかし『習慣の力』では「習慣は、繰り返しによって脳に自動化される行動である」と説明されています。
つまり、行動が自然に始まるような“仕組み”を作ることが重要なのです。

別の書籍では、「人は環境によって動かされている」とも語られています。
この言葉の通り、自分を責めるよりも、環境のほうを変えるほうが確実に効果が出ます。

やる気やモチベーションに頼るのではなく、
あらかじめ行動を起こしやすくする準備をしておく。
それが習慣づくりの本質だと、改めて気づかされました。

このように、引用を「芯」にしつつ、自分の言葉が自然に乗ってくる構成が完成します。


ステップ④ 引用を「補足」や「締め」として活用する方法もある

引用は「冒頭」に置くばかりではなく、

「締め」や「補足」として登場させることで説得力が増すこともあります。

プロンプト例②:締めに引用を入れる構成
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このメモをもとに、本文は自分の視点中心で書き、
最後に引用を入れて全体をまとめる構成にしてください。

AI出力例(抜粋):

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どうしても“やる気”に頼ってしまう習慣づくりですが、
実はそれこそが続かない原因でもあるのです。
準備や環境の工夫があってこそ、自然と続く行動になります。

「やる気があるときに決めたことより、仕組みの方が確実に働く。」
この言葉が、そのことを端的に表しています。

このように、引用を“締めの一言”として効かせる構成もCursorではすぐ試せます。


補足:引用と著作権についての基本的な考え方

基本的に「短い引用であること」「出典が明記されていること」「主張の補強として使われていること」が守られていれば、

一般的な読書メモやブログでの引用は問題ないとされています。

とはいえ、出典をできるだけ記載する・自分の言葉を主にするという基本姿勢を持っておくと安心です。


引用は「集める」で終わりではなく、「語りたくなる文章」に育てる

Obsidianで集めた引用は、読書中のあなた自身の“心の動き”の記録でもあります。

それをそのまま眠らせておくのはもったいない。

Cursorという“編集パートナー”がいれば、

その引用が、文章の起点や締めくくり、問いかけの素材として新しく生まれ変わります。

  • 書けないときは、引用を起点にする
  • AIと一緒に文章に整える
  • そこに自分の声を重ねていく

この流れを持っておけば、読書は“ただのインプット”で終わりません。

あなたの言葉で再構成された“新しい思考のかたち”としてアウトプットされていきます。


ObsidianとCursorの連携については、下記のページで実際に読んで良かった書籍を紹介しています。

気になる方はチェックしてみてね。Kindle Unlimitedに入っている人は無料で読めます。


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