エンジニアのためのObsidian × Cursor構成管理術〜Vault構造はどう設計すべきか?〜

「メモが散らかって使いにくい」

「どこに何を書いたか分からない」

「あとから検索しても出てこない」

そんな悩みを抱えながらObsidianやCursorを使っているエンジニアの方、多いのではないでしょうか。

実は、Vault(Obsidianの作業フォルダ)の構成をちょっと工夫するだけで、思考の整理もアウトプットの効率も一気に改善されます。

この記事では、エンジニア向けに特化したVault設計の基本と、Cursorとの連携を前提とした構成管理術をやさしく解説していきます。


結論:目的別+文書フェーズ別の「二軸分類」がベスト

エンジニア向けのVault設計で大切なのは、次の2点です。

  • 目的別(何のためのメモか)
  • 文書フェーズ別(アイデア/草稿/完成原稿など)

この「二軸」で整理することで、

  • メモの迷子防止
  • AI推敲対象の選別
  • プログラミングや設計と文章作業の両立

がスムーズになります。


ステップ① 最低限のVaultフォルダ構成

以下は、ObsidianとCursorを併用するエンジニア向けのVault構成の一例です。

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vault/
├── 00_inbox/            # とりあえず書き留める場所(未分類)
├── 10_notes/            # 記事にならない技術メモ(使い捨てでもOK)
├── 20_snippets/         # コード断片や定型パターン
├── 30_drafts/           # ブログ・記事・資料などの草稿
├── 40_final/            # AIで整えた完成原稿
├── 90_templates/        # テンプレート置き場
├── assets/              # 画像・図表・添付ファイル
└── README.md            # Vaultの使い方(自分用)

この構成にしておくと、技術メモと執筆作業をしっかり分離でき、Cursorで扱うファイルも選びやすくなります。


ステップ② Obsidianの運用ルール(初心者でもできる)

構造があっても、運用できなければ意味がありません。

ここでは、初心者でも無理なく続けられるシンプルなルールをご紹介します。

1. 思いついたらまず 00_inbox/ に書く
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## 2025-09-27_思いつき

- PythonでChatGPT APICLIから使うユースケース増えてきた
- デフォルトプロンプトをどう保存・再利用するか課題
#AI活用 #CLI

とにかく1行でもいいので放り込む場所があると、書くハードルが下がります。

2. 週1回 inbox を整理して各フォルダに移動
  • すぐ使えそうなコード → 20_snippets/
  • 汎用性のある知識 → 10_notes/
  • 文章として仕上げたい構想 → 30_drafts/

この整理タイミングでタグをつけたり、リンクを張ったりしておくと活用しやすくなります。


ステップ③ Cursorとの役割分担:どこでAIを使う?

Cursorは、Obsidianで書いたMarkdownファイルをそのまま開いて編集できます。

おすすめの連携ポイントは、30_drafts/40_final/ への変換段階です。

たとえば、Obsidianで次のような草稿があるとします。

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## なぜコードレビューが形骸化するのか?

- レビューが「指摘ゲーム」になっている
- 成果物を読むだけで目的が共有されていない
- 会話が減り、Slackでも形式的に処理されている

これをCursorで開いて、次のようにプロンプトを出します。

プロンプト例:
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この箇条書きを、読み手に納得感が伝わる自然な文章に整えてください。
ブログ記事の冒頭段落として使いたいです。

AIが次のように書き直してくれるかもしれません。

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最近、コードレビューが「意味のない形式作業」になってきたと感じていませんか?
レビューがただの指摘合戦になり、目的の共有もないまま淡々と進んでしまう。
Slackでのやり取りもテンプレ化し、建設的な対話が減ってしまっているのです。

このように、Obsidianで荒く書き、Cursorで整えるという分業スタイルが非常に効率的です。


ステップ④ フォルダ構造とGit運用の連携(任意)

もしGitでバージョン管理している場合は、以下のような分け方がしやすくなります。

  • drafts/ ブランチ:作業中の草稿
  • main/ ブランチ:AI推敲済みの公開原稿

このようにブランチとフォルダを合わせて設計することで、

技術的なワークフローと文章のライフサイクルが一致します。


補足:テンプレートを整えておくとさらに捗る

90_templates/ フォルダに以下のようなテンプレートを作っておくと、

Obsidianでの執筆やメモ作成がとてもスムーズになります。

例:技術記事テンプレ
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## タイトル

## 課題

## 背景・前提

## 解決策

## コード例

## 補足

#タグ #技術メモ

Obsidianのテンプレート機能(コミュニティプラグイン)を使えば、ショートカット一つで呼び出せます。


Vaultをしっかり構成しておくと、ObsidianとCursorの連携がとてもスムーズになります。

ポイントは、「どこに何を置くか」よりも「自分が迷わず戻ってこれる構造を作ること」です。

  • まず書く → 00_inbox
  • 育てる → 30_drafts
  • 整える → CursorでAI推敲 → 40_final
  • 記録する → Gitでバージョン管理

この流れが習慣になれば、あなたの思考・知識・文章はどんどん資産として積み上がっていきます。


ObsidianとCursorの連携については、下記のページで実際に読んで良かった書籍を紹介しています。

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