ObsidianとCursor。どちらもMarkdownベースで使える強力なツールですが、作業が進むにつれて「ファイル管理」や「履歴の管理」が気になってくる方もいるかもしれません。
そんなときに便利なのが Gitによる同期管理です。
この記事では、Obsidian VaultとCursorワークスペースをGitで同期させると何ができるのか?その仕組みとメリット、注意点、導入方法まで、初心者にもわかりやすく解説していきます。
結論:バージョン管理と共同作業が“安心かつ快適”になる
Gitによる同期を取り入れると、以下のようなことが可能になります。
- 変更履歴を追える(どこをどう直したかが一目で分かる)
- ObsidianとCursorの両方で同じファイルを編集しても、状態を保てる
- 万が一の上書きミスも、元に戻せる
- 複数の端末で作業を続けられる
- 他の人とファイルを共有・共同編集できる
特に文章や知的メモを「育てる」ワークフローでは、
履歴が残るという安心感があるだけで、ぐっと試行錯誤しやすくなります。
ステップ① Git管理用のVault(または作業ディレクトリ)を準備する
まずは、Obsidian VaultやCursorプロジェクトのルートディレクトリをGitリポジトリ化します。
フォルダ構成は以下のようなシンプルな形でもOKです:
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my-vault/
├── 01_ideas/
├── 02_drafts/
├── 03_articles/
├── templates/
└── .git/ このmy-vaultフォルダを、ObsidianではVaultとして、
Cursorでは「Open Folder」で開いて作業する構成です。
ステップ② Git初期化コマンドを実行する
ターミナル(またはGit Bash)を使って、以下のように初期化します。
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cd ~/Documents/my-vault # 任意のVaultディレクトリへ移動
git init
git add .
git commit -m "初期コミット" これで、VaultディレクトリがGit管理下に置かれます。
ステップ③ GitHubなどのリモートリポジトリと連携する(任意)
複数端末間で同期したい場合や、共同作業を行いたい場合は、
GitHubのリモートリポジトリと接続すると便利です。
手順の概要:
- GitHubで新しいリポジトリを作成
- ターミナルで次のように接続:
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git remote add origin https://github.com/ユーザー名/my-vault.git
git branch -M main
git push -u origin main これで、リモートとの接続が完了します。
ObsidianとCursorの“Git連携が効く場面”とは?
では、実際にどういう場面でGitが効いてくるのかを見てみましょう。
① AIとのやりとり前後の差分を保存したいとき
CursorでAIに文章をリライトしてもらったあと、
- 「やっぱり前のバージョンの方がよかった」
- 「どこがどう変わったのかを後で確認したい」
という場面があります。
Gitを使えば、コミット前後の差分(diff)で変更点を可視化でき、
git log で履歴もたどれます。
② Obsidianで構成を書いて、Cursorで整えるとき
Obsidianで構成やメモを作り、
Cursorで文章化・AI推敲していく中で、
片方のツールでの変更を、もう片方でもすぐに反映したいというニーズが出てきます。
同じGitリポジトリを共有していれば、
どちらで編集しても整合性が保たれ、
履歴も1本にまとまっていきます。
③ チームで執筆・レビューする場合
たとえば、以下のような分担があるとします:
- Aさん:Obsidianで構成を書く
- Bさん:Cursorで文章を整える
- Cさん:最終レビュー
このような場合、GitHubでPull Requestのレビュー機能を使うと、
履歴を保ったまま、安全にフィードバックとマージができます。
補足:ObsidianのGitプラグインで自動コミットも可能
Obsidianには「Obsidian Git」というプラグインもあり、
以下のような機能が利用できます:
- ノートの変更を自動でコミット&プッシュ
- 時間指定でバックアップ(例:毎朝7時に)
- 差分確認機能(プレビュー付き)
インストール手順(Obsidian側):
- 「設定」→「コミュニティプラグイン」→「Obsidian Git」を検索・インストール
- トークンなど必要なGitHub設定を入力
- 自動コミット設定を有効化
これで「保存ボタン感覚」で履歴が残っていくようになります。
注意点:バイナリファイル・AI生成物の扱い
AIが生成した文章や画像をGitで管理する場合、以下の点に注意してください。
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.gitignoreで不要なファイル(.DS_Store, .obsidian,node_modulesなど)を除外 - AI出力は「正」と決めつけず、コミット前に必ず自分の目で確認
- 不要な履歴肥大化を避けるため、画像・動画はGit LFSかクラウドに保管
まとめ:Git連携で「安心して書ける環境」が整う
ObsidianとCursorは、それぞれの役割を活かすことで知的生産の幅が広がります。
そこにGitによる「履歴の管理」と「変更の見える化」が加わることで、
試行錯誤がしやすく、安心して書き直せる環境が手に入ります。
- メモはObsidianで
- 整理と推敲はCursorで
- 履歴はGitで
この三位一体のワークフローは、継続的な学びと執筆にとても相性が良い組み合わせです。
ObsidianとCursorの連携については、下記のページで実際に読んで良かった書籍を紹介しています。
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