「たくさんメモは書いているのに、うまく活用できていない」
「Zettelkasten(ツェッテルカステン)って興味はあるけど、活用方法がわからない」
そんな方に向けて、今回は Obsidianで蓄積したZettelkastenメモを、CursorのAIを使ってまとめ直す実験を紹介します。AIを使えば、バラバラの思考の断片から、読みやすい文章がスッと生まれるかもしれません。
今回はその実験と手順を、初心者の方にも分かりやすくまとめていきます。
結論:断片的なZettelkastenメモも、AIなら“まとめ役”になってくれる
Zettelkastenとは、一つのノートに一つの考えだけを書くメモ手法です。
「思考を細かく分けて、リンクでつなげる」ことで、知識のネットワークを構築できます。
ただ、実際にノートが増えてくると、
「このメモをどう活用すればいいの?」という悩みも出てきます。
そこで今回の実験では、
ObsidianにためたZettelkastenメモ群を、CursorのAIに要約・再構成してもらうことで、
新しいアウトプットに変えてみようという試みです。
ステップ① ObsidianでZettelkasten風のメモをつくる
まずは基本となるZettelkastenメモの作成です。
ここでは「習慣化」に関する断片的なメモを例にします。
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## 202509261010_習慣と意志力
習慣を意志の力で維持するのは難しい。
意思が必要な行動は疲れやすく、長続きしない。
#習慣 #意志力
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## 202509261011_環境設計が習慣を支える
習慣化は、環境によって左右される。
たとえば、ランニングシューズを玄関に出しておくなど。
#習慣 #環境設計
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## 202509261012_目に見える成果がモチベーションを支える
行動の「結果」が見えやすいと、習慣は続きやすい。
習慣トラッカーの活用が有効。
#習慣 #モチベーション
1メモ = 1主張
タグとタイトルで整理するのがZettelkastenの基本です。
ここまでで「思考の断片」は準備完了です。
ステップ② メモを1つのMarkdownにまとめてCursorで開く
Obsidianではメモが分かれていても、
再構成したいメモだけをまとめたMarkdownファイルを作ると、Cursorでの編集がスムーズです。
以下のように、選んだメモを1ファイルにコピーして保存します。
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# 習慣化メモまとめ
▼ メモ①
習慣を意志の力で維持するのは難しい。
意思が必要な行動は疲れやすく、長続きしない。
▼ メモ②
習慣化は、環境によって左右される。
たとえば、ランニングシューズを玄関に出しておくなど。
▼ メモ③
行動の「結果」が見えやすいと、習慣は続きやすい。
習慣トラッカーの活用が有効。
このファイルを .md 形式で保存し、Cursorで開きます。
ステップ③ AIに「要約と再構成」を依頼する
Cursor上で、まとめたテキスト全体を選択したら、
AIに次のように指示を出します。
プロンプト例①:まずは要約
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このメモ群を一つの文章に要約してください。
「習慣をどうやって続けるか」をテーマに、要点を自然な流れで整理してください。
AIは、次のようにまとめてくれます:
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習慣を続けるには、意志の力に頼りすぎるのではなく、環境を整えることが重要です。
たとえば、行動を促す物を目に見える場所に置くだけでも習慣化の助けになります。
また、行動の成果が見えるとモチベーションが上がるため、習慣トラッカーのような可視化ツールも効果的です。
すでにブログや資料の一節として使えそうな文章が完成しました。
ステップ④ さらに構成を整えたい場合は「小見出し」も依頼
情報量が多いときは、「章立て」や「段落ごとの小見出し」も加えるとより読みやすくなります。
プロンプト例②:小見出し追加
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この文章に、読者が読みやすくなるように小見出しを加えてください。
出力例:
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### 意志だけでは続かない習慣
習慣を意志の力で維持するのは難しい。疲れやすく、継続が困難になることが多い。
### 環境を味方につける
習慣は環境によって支えられる。目に入る位置に道具を置くだけでも効果がある。
### 成果の可視化がモチベーションになる
目に見える結果があると、やる気が続きやすい。習慣トラッカーなどのツールが有効。
このように 「構成」までAIに整えてもらえることで、
Zettelkastenの断片がひとつのアウトプットへと形を変えます。
よくある質問とヒント
Q:Zettelkastenと普通のメモって何が違うの?
→ 一つの考えだけを書く・リンクでつなぐ、というルールがあること。
Obsidianと相性がよく、情報の関係性が自然と育っていきます。
Q:なぜCursorで整えるの?
→ Zettelkastenは「書くこと」に特化していて、「整えること」には手間がかかるからです。
CursorのAIが「構成・文体・要約」をサポートしてくれることで、整える負担がぐっと減ります。
Q:リンクやタグは再構成に影響する?
→ AIは内容ベースで要約するので、タグは整理用の目印です。
リンクは、人間が構造を見直すための補助として活用しましょう。
小さな断片から、大きなアウトプットへ
Zettelkastenは、思考を「貯めてつなげる」ための手法。
CursorのAIは、その「つながり」から文章を編み出す相棒。
このふたつを組み合わせることで、
「たまったメモが読み返すだけの記録で終わる」状態から、
「アウトプットに育つ素材になる」状態へと進んでいけます。
まずは、3つくらいのZettelkastenメモをまとめて、
Cursorで要約&整形するところから試してみてください。
ObsidianとCursorの連携については、下記のページで実際に読んで良かった書籍を紹介しています。
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